<Beの保育>の重要性を見直す

 

こんにちは。
後期が始まってあっという間に2か月がたちました。

やはり講義が始まるとこのページの更新も滞ってしまいます。

特に11月は園内研も怒涛の如く入ってきますので、

ほぼ休みなしでした。

そんな中で、感じていることをシェアさせてください。

 

 

保育の現場では、「何をすればよいか」という

Do(すること)にどうしても意識が行ってしまう。

声をかける、援助する、環境を整える

──その一つひとつは確かに大切で、

子どもの行動にすぐ変化をもたらします。

 

けれども、Doを積み重ねるほど、私たちは成果・結果に追われてしまい、

気づかぬうちに子ども達の「できる/できない」を気にしすぎたり、

機械的な関わりに近づいてしまうことがあります。

 

対照的に、Be(在ること)はすぐには形を持ちません。

子どもを信じている、一緒に楽しんでいる、穏やかにそばにいる。

行為ではなく、姿勢や存在そのものに重心を置く関わりです。

短期的な成果は見えにくいのですが、

Beは子どもが「自分は大切にされている」という感覚を積み上げ、

長い時間をかけてその子の世界を支えていきます。

ですが、抽象的な話になりやすく、

現場の保育者にはBeの保育の話は伝わりにくいものです。

 

DoとBeはどちらが優れているというものではなく、

本来は補い合う関係にあります。

僕は木の根・幹がBeで、枝・葉がDoかなと思っています。

ただ、現代はDoが目立ち、強くなりすぎているため、

Beを意識的に取り戻す必要があるのかなと思います。

 

子どもと向き合うとき、「何をするか」より少しだけ前に、

「どのように在りたいか」を置いてみる。

そうすることで、行為はより子どもに寄り添ったものへと変わっていきます。

 

在り方を具体的に言うなら、毎日やることと言い換えても良いかもしれません。

笑顔

子ども達を見守る時や話を聴く時の姿勢や目の高さ

声のトーン

遊んでいるときの表情・動き

それらが持っている雰囲気と言って良いと思います。

 

僕は園で子どもたちに囲まれ、仲良くなることが多いですが、

それはこのBeの在り方が原因ではないかと思っています。

 

保育は技術である前に、人が人と関わる営みです。

Beを軸にした関わりは、子どもの育ちに深く静かに影響し、

同時に私たち大人自身の心も豊かにしてくれます。

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者と保護者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒520-0026 滋賀県 大津市 桜野町2丁目4-7-517 

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