NHKのクローズアップ現代で不適切保育が特集されたそうです

 

 

こんな文言で始まるホームページと出会った。「相次いで発覚する“不適切保育”に、深刻な保育士不足…
未来を担う子どもたちにまつわる暗いニュースが多く、不安な気持ちになる人たちも多いのではないでしょうか。」

「ニッポンの保育は本当に大丈夫?」海外の保育制度に詳しい専門家に聞いてみた。

https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0028/topic035.html

 

NHKクローズアップ現代で1月16日(月)で放送されたそうだ。私も放送は見ていないのだが、上のURLサイトをご覧いただくとその概要はわかる。日本の保育は本当に大丈夫か?という答えのない問いを投げ、海外に詳しい専門家を呼ぶということは海外は大丈夫であるという前提があり、その専門家は大丈夫かどうかを査定できるという前提がそこにはある。この段階で、国と保育者は悪者確定である。

 

そして、そこで出てくる問題は「保育から教育へ」「第三者評価」「オープンエデュケーション」「保育者の配置基準」である。最後には「待機児童問題が解決しつつあるこれからの時代には…」という話で締めくくる。私自身、NHKの番組は好きなものが多いが、これでは物足りないというのが正直なところ。これらの取り組みはいずれも日本でもやっている。もしくは現場としては問題意識を持たれていることばかりだ。ところが、海外はやれていて、日本ではやれていないという論調で語るから、また保育業界は何をやってんねんという不満につながってしまう。白黒で語るのではなく、もっとグラデーションを持って、深掘りして語らないと何にもつながらない。もちろん、不十分な点はある。そのもう1つ奥にある原因がどこにあるのか?「なぜ十分なところまでいかないのか?」を問うことで初めて問題にアプローチできる。

 

さて、番組に対する問題提起ばかりしていられない。保育の世界に課題があることは事実であり、問題をなるべく正確に国や自治体に伝え、子どもと保護者たち、そして保育者自身にとって少しでも良い形にしなくてはいけない。

 

番組が提起した4つの視点はいずれも大切だが、私はオープンエデュケーションの推進が第1ステップになるだろうと考えている。以前から園庭づくりの際に、保護者を巻き込んでやりましょうという話をしてきた。これも園の開放の1つのやり方である。保護者会の開催、それも頻度を高めて、1回の参加者数が少なくても良いから、その代わり膝を突き合わせておしゃべりすることができるような会にするのも良いだろう。民間園であればサイトにもあるようにカフェのようなスペースを作っても良い。だが、公立園ではこれは難しい。コロナのマスク規制がいまだに続くこの国で、園でカフェスペースでどのくらいゆっくりとできるかも疑問である。マスクは自由にしましょうとなったら、話は別だが… いずれにしても、園を保護者や地域の方に開放することで、保育に入ってきてもらう。情報や考え、経験などを共有することから始めてみるのはいかがでしょうか?

 

ちなみに、今日の夕方5:30からBS1で再放送があるそうです。

録画やオンタイム視聴ができる人はぜひご覧になってみてください。

https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/schedule/

 

 

 

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

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