エジソンの母

 

(1)エジソンの母
私は知らなかったんですが、エジソンのお母さんって、子育て界隈では有名な方のようですね。
皆さんは、有名になった逸話をご存知ですか?
 
エジソンが7歳のとき、学校の先生から1通の手紙を預り母に渡しました。
エジソンのお母さんはその内容を読んで涙が止まらなかったそうです。
トーマスが「ママはなんで、そんなに泣いてるの」と聞くと、
母は手紙の内容をトーマスに伝えたそうです。
 
「凄いの~学校からの手紙は、あなたの子どもは天才すぎるので、
この学校の先生では能力不足なので、
どうぞ、他の学校に転校してくださいと書いてあるの」
 
それから、母はトーマスを学校にいかさずに、家で一所懸命勉強を教えました。
 
そして、後にあの発明王トーマス・A・エジソンが誕生したのです。
 
母が亡くなったある日、エジソンが遺品を整理しているときに、
偶然その学校からの手紙を発見しました。
そこに書いてあった内容は…
「あなたの子どもは精神的な変人の異常者であるため、この学校にはおけません。
ぜひ、よい精神病院に入れてください」
というものだったそうです。
 
 
 
これって先週の「存在」(being)と「行為」(doing)の話に関係する話ですよね。
つまり、大事なのは何をしたか?ではないということ。
どういう存在であったか?ということです。
お母さんは常にエジソンの味方であろうとし、エジソンの良いところを見る存在であった。
このことが大切なんじゃないかと思います。
もちろん、怒ることもあったと思うし、手を焼いたり、心配をしたことだって
1回や2回じゃないと思う。
 
それでも、どんな失敗をしても、ある一定のラインを越えない限りは決して怒らない。
とか
常に味方でいようとすること。
この態度を持って存在していたことがエジソンにとってどんなに心強かったか。
 
だから、彼の有名な言葉
「失敗は一度もしていない。1万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ」
の根っこにはこのお母さんの存在があったはずです。
 
不登校のお子さんを持つお父さん・お母さん
発達障害のお子さんを持つお父さん・お母さん
うちの子なんでこんななんだろう?と思っているお父さん・お母さん
 
自分の子どもを疑ってしまう
自分の子育てを疑ってしまう
そんな心持ちになることってよくありますよね。
私も偉そうなことを書いていますが、しょっちゅうあります。
大きな声では言えませんが…
 
 
(2)若かりし頃の出会い
 
そんな時、私が思い出す存在がいます。
それは自分の母…ではなく、アメリカ留学時代に長期休暇を過ごしていた
ホストファミリーの家にいたジャーマンシェパードGanner(ガナー)の存在です。
 
私はアメリカのメリーランド州というところに2年弱留学していたのですが、
隣のペンシルバニア州の田舎町にお世話になっているお宅があって、
夏休みとか冬の休みになるとそこに行って生活をしていたんです。
 
そこにGannerという名前のジャーマンシェパードがいました。
山から降りてきたスカンクを食っちゃうような強いやつで、
人見知りなのですが、
なぜか私にはすごく懐いてくれた。
 
僕が夜遅くに車で帰ってきても、
朝起きても、
必ず近くに来てクンクンと匂いを嗅ぎ、
尻尾を振って歓迎してくれていた。
 
勉強が上手くいかなくってちょっと落ち込んでいても、
本を読んでいても、
何となくそこにいてくれた。
 
なんとなく、そんな存在でした。
もういまはこの世にはいないんですけど、
あの時の何となく安心な感じは独特でした。
 
私は自宅で犬と暮らしたことがないのでわからないですが、
飼い犬ってそういう存在なのかもしれないですね。
 
しょうもないアナロジーかもしれないですけど、
親もそんなイメージだといいのかなって気がします。
常にそこにいて、存在に気づいてくれて、
肯定的に自分のことを受け入れてくれる。
 
エジソンの母親に強くはなれないけど、
Gannerに近づくことは、もしかしたらできるかもしれない。
そんなふうに思っています。

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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