原理を平たく言うとこうなります。
私たちは子どもを見るとき、無意識のうちに“ラベル”を貼っている。
「年中だからこのくらいできるはず」
「発達特性がある子だから配慮が必要」
「困った行動」
ラベルは便利です。共有もしやすいから、会議も進む。
でも、その瞬間に“目の前の子ども”が少し見えなくなる。
たとえば、砂場で黙々と穴を掘り続ける子がいる。
「こだわりが強い」と見ることもできる。
そこにはすでに「良い/良くない」という
評価が入っているんです。
でも、その前に一度だけ立ち止まってみてください。
・どんな手つきで掘っているか
・どのくらいの深さを目指していそうか
・途中で何度、形を確かめているか
・やり方を変えていたりしないか
ラベルを貼る前に、事実を丁寧に拾う。
これが“制度に回収される前の観る”ということです。
実装のポイントは単純です。
記録を書くとき、最初の3行は「解釈禁止」にする。
評価語を使わず、見えたことだけを書く。
「集中していた」ではなく、
「10分間、スコップを持ち替えながら掘り続けた」
と書いてみる。
この差は小さいようで大きいと私は考えます。
解釈は後から足せる。事実はあとから復元できない。
制度はどこかの段階では必要かもしれません。
でも、制度に入れる前の“生の観察”を一度通す。
それだけで、視線の質が変わります。