【理論編】第4回「できた!」が広がる挑戦の場づくり(2〜3歳)

 

こんにちは。
 
今日は2〜3歳児の「できた!」が広がる挑戦の場づくりについてお話しします。
 
 
この年齢になると、子どもは単なる身体の動きだけでなく、「やり方」を工夫し始めます。
 
たとえば、積み木を高く積むとき、最初はバランスを崩して倒してしまいますが、
何度も試すうちに「大きいブロックを下に置いた方が安定する」ということに気づきます。
これがまさに、環境から情報を読み取り、それを行動に生かすプロセスです。
 
エレノア・ギブソンは、子どもが新しい行動パターンを身につけるとき、
環境との繰り返しのやり取りが重要だと述べています。
環境のチカラは一度で全部わかるわけではなく、
試行錯誤を通して少しずつ理解されていきます。
 
この時期の環境づくりのポイントは「段階的に挑戦できる構造」です。
たとえば、最初は低い平均台から始め、慣れたら少し高くする。
登り台の角度を少しずつ変える。
素材や道具の重さを変える。
こうした小さな変化が、子どもの「できた!」の幅を広げます。
 
また、2〜3歳児は友達の行動から学ぶ力も大きく伸びます。
友達が成功する姿を見て、「自分もやってみたい!」
と思い挑戦することが増えます。
保育現場では、こうした相互刺激を活かすために、
複数人が同時に遊べる環境を整えることが大切です。
 
大人の役割は、「危なくないように守ること」と
「環境を魅力的に保つこと」のバランスを取ることです。
やり方を教え込みすぎると、子どもは自分で考える機会を失います。
逆に放任しすぎると、危険な挑戦をしてしまう可能性があります。
この微妙な加減こそが、保護者や保育者の腕の見せ所です。