不登校という言葉がかける呪縛

*写真はイメージです

 

 

こんにちは。

今日は共通テストが社会的なニュースかもしれません。

東大会場で受験生が刺されたというニュースも…

 

とにかく受験生の皆さんには

本当に頑張ってもらいたいと心から祈っています。

 

さて、受験シーズン真っ只中ですが、

あえて問題提起をしたいと思っています。

それは

「学校に行く必要は本当にあるのだろうか?」

ということです。

 

あらかじめ申し上げておきますが、

先生方のやっていることを非難しようとしているわけではありません。

あくまでも学校というシステムの話をしたいと思っています。

 

私は長いこと大学で勤めています。

こうして保育者の先生方と一緒に保育に関することを考えたいと

法人を運営もしています。

さらに言うなら、PTA活動もしています。

その関係で子どもがお世話になっている学校の

先生方ともそれなりに親しくさせてもらっています。

 

だから、そこにいる人々が懸命に考えて、

子どもたちのために苦労してくださっていることも

私なりに理解しているつもりです。

 

ただ、一市民として「学校」というシステムを考え直したい。

 

その一つの入り口として、最近私が考えていることは

不登校

という呼称にこびりついたイメージです。

 

不登校という言葉自体には別に大した意味はないのですが、

長年使われている間に、

その言葉にこびりついたイメージ

つまり「学校には行くもの」という

固定観念が決して離れることなく、ビッタリとくっついています。

学校に行かないことが悪いことであるという

観念が多くの人々を苦しめているのではないでしょうか。

 

歴史的に見ると、かつて児童福祉の観点から

子どもを学校に行かせる義務を親に課したわけです。

その裏にはもう1つの事情があって、

工業化された社会にあっては

それまでの各家庭で農業をして生活をするのではなく、

ある程度の能力を備え、組織に属して、上長の言うことを聞いて、

あまり文句を言わずにバリバリ働く市民を大量生産する必要があった。

学校というものはそのための組織でもあったわけです。

 

5科目という括りだって、必然性はそれほどないけど、

工業化された会社で働くには適度な知的枠組みですよね。

「問題解決」って科目があったっていいはずです。

実際に来年から高校で行われる「探究」とかはこれに近い。

 

そういう視点で見たら、「道徳」という

価値判断を含むことが教えられている理由もよくわかる。

同じ「道徳」を持っていてもらいたかったと言えます。

 

となると、社会構造や考え方がガラッと変わってきている現代社会で

学校に馴染めない人間が出てくるのは

むしろ必然ですよね。

 

そこで提案なのですが、

不登校という呼称をやめて、

 

選択的登校制度

 

と呼ぶのはいかがでしょうか?

学校での学びを生徒自身が決めて、

行くか行かないかも生徒自身が決める。

行きたくなかったら行かなきゃいい。

その代わり、親子で一緒に家での過ごし方を考える。

学校の勉強をしなくたっていい。

でも、家族で学ぶことを決める。

 

例えば、今週は「電車の乗り方」を勉強しよう

みたいなことでも良い気がします。

例えば、滋賀から神戸まで行く電車の運賃とか、乗り換えなどを調べ、

せっかく神戸に行くんだから、美味しいものを食べようとか、

ちょっと観光をしようとか、

神戸は30年近く前に大きな地震があったんだよとか、

そうやって勉強をすることだって可能です。

 

もちろん、登校の選択の仕方は発達段階によって違い

が必要だろうと思うけど、

自分の学び方を考えることってすごく重要だよ。

 

先生は教える人じゃなくってファシリテーターになる。

学年だって、2〜3学年くらいが同じ教室を使えばいい。

オランダのイエナプラン教育みたいなイメージですね。

 

これって実は保育の延長線上にあるんじゃないかって

私は考えています。

幼小連携の話になると幼保が小学校に合わせる

って話にすぐになるけど、

それは全く逆だと私は思います。

 

幼保が実践している価値観を理解して、

小学校以降の学びを再検討した方がいい。

大学ですら幼保に学ぶ点があると私は感じています。

 

そんなことをしていたら、

何も勉強しないし、ゲームばっかりすることになるって

言うお母さんが必ずいます。

 

そうかもしれませんね。

でも、やり方はたくさんありますよ。

 

長くなってしまいましたので、

今日はこのくらいで一旦やめておきます。

 

皆さんのお考えも良かったら教えてください。

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保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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