自由遊びを重視する背景(5)運動発達が全ての土台

 

こんにちは。

自由遊びを重視する理由の第5弾です。

今日の話が一番核心の話ではないかと思います。

 

運動発達(動きの発達)とはmotor developmentと呼ばれます。

運動発達にはいくつかの側面がありますが、

多様な動きができるようになる「多様化」のプロセスと

1つの動きが上手にできるようになる「精緻化」のプロセスに

大別できると言って良いと思います。

 

どちらも大切ですが、特に幼児期では「多様化」が大切だろうと思います。

いろんな動きを経験し、その動きの経験が動きのバリエーションを増やす。

すると、経験のバリエーションも増えるわけです。

経験のバリエーションが増えると、知的活動・社会的活動が増えてきて、

全体的に発達が進んでいくという風に考えられます。

 

 

補足です。

 

自由遊びでは、自分が持っているスキル(運動能力)を使いながら、

いろいろな包囲環境と自ら出会います。

そして、そこからさらにいろんな動きを経験します。

幼児期の後半に自由遊びを成立させるためには、乳児期から幼児期の前半での

豊富な経験が必要になります。

 

2歳や3歳で自由遊びが成立するわけではありません。

ただ、4〜5歳児で次第に自由遊びを成立させるためには、その前の段階で

運動発達を意識した遊びの工夫が求められるのです。

 

逆の視点から考えると、身体的な不器用の問題もあります。

「発達性協調運動障害」などの問題もありますね。

https://h-navi.jp/column/article/35025585

 

こういう特性を持つお子さんの多くは、遊びの中で経験を積み重ねることが

難しいというのは先生方も想像に難くないはずです。

そのことを考えると、運動発達の重要性が理解できるのではないでしょうか。

 

 

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

Mail: daihyo@studioflap.or.jp