あなたはお子さんにとってどんな存在として見られているのだろうか?
(画像 https://www.single-mother.jp/recommend/parentingpleasant/)
「ペアレンティング」という言葉があります。
これは日本語の「子育て」という行為に近い言葉だと思います。
ただ、行為だけではなく
「親であること」という存在をも含意している言葉でもあります。
親であるとはどういうことか?
ということです。
いま河合隼雄先生が書かれた
『子どもの本を読む』
という本を読んでいます。
その中で『思い出のマーニー』に関する章があります。
ジブリでも映画化されているので、ご存知の方も多いでしょう。
主人公の1人であるアンナが療養のために訪れた場所でマーニーと出会ったことで
ストーリーが展開していくのですが、河合先生は療養先でアンナを受け入れた
ペグ夫妻について少し言及されています。
p.70より引用
ところで、老人夫婦のペグさんたちは、今日の優秀な心理療法家がアンナに対してするだろうと思えるのと同様のことをしたのである。つまり、彼らはアンナを好きになり、できるかぎりアンナの自由を尊重し、彼女の内面に触れようなどとは全然しなかったのである。
ペグさんという老夫婦は、アンナが療養に行った先で受け入れた方達です。
早くに親を亡くしたアンナを別に癒そうとするわけでもなく、
ただそこにいて受け入れてくれた人たち。
このくだりを読んで、私は「ハッと」させられました。
この感覚ってどのくらいあったかな?
って我を振り返ったんです。
好きになること
自由を尊重すること
はある程度頭にあったと思います。
実際に自分の子どもたちのことは大好きですし、
ある程度の自由を保障しているつもりです。
(子どもたちはそうは思っていないでしょうけど…笑)
でも、
内面に触れようとしない
って、現代人は考えているのでしょうか?
少なくとも私にはその感覚は薄かったです。
むしろ、自分の子が困っていたら、
内面を理解し、力になってあげようとしてしまうのではないでしょうか?
放っておいて、何もしない
なんてことをしたら、それは「冷たい」ということになるのでは
ないでしょうか?
でも、河合先生のおっしゃられていることは
「そこにどのように存在しているか?」が大切だということです。
このお話にも通じるような河合先生の講演を10分弱に切り取った
音声をYouTubeで見つけたので、良かったらご視聴ください。
ペアレンティングとは、行為だけではなく、
自分が子どもにとってどんな存在なのか?
を考えることも含まれている。
このことに気づくことができたら、
何かが変わるのかもしれません。