あるものを編むことも大切

 

 

 

(1)課題まみれの私たち

「人間が生きる、まさにそのときに、唯一の与件としてあるのは、

何事かをせざるを得ないということ、ただこの一事なのだ。

(中略)

生は課題なのである」

スペイン人哲学者のオルテガ・イ・ガセットの言葉です。

 

よりよく生きようとしている人ほど、

課題を見出し、それに取り組んでいます。

日本人など、一応真面目だと言われている国民性だと、

一億総課題まみれです(笑)

 

県庁で行われるような会議に出席させていただくと、

まぁ見事なまでに課題を持った方々が集まります。

圧巻です。

とすると、多くの方はその解決策も持っていたりします。

やりたいことだらけです。

 

 

(2)過去の否定から何かを生もうとしない

新しいことをやりたい

これまでのことは〜がダメだったので、

もっとこうするべきだ。

ということになる。

それ自体は間違っていないのですが、

これまで努力してきた方達の営みが間違っていたの

だろうか?という疑問も私にはあります。

 

過去の人たちだって、その状況に合わせて、

それなりに意味のあることをしてきたはず。

ってか、その過去の人の中には、

過去の私自身も入っています。

その過去の自分を否定して、新しい、いまの自分だけが

正しいなんてことはあり得ない。

 

仮にまだ課題があるとしたら、今までが間違いなのではなく、

まだ足りないことがあるとか、

さらに拡大するとか、

そういう対策方法を検討することが必要なのではないでしょうか?

 

そのためには、まず振り返りが大切だし、

周囲を見渡すことも必要だと思うのです。

そして、何かと繋がる、何かと何かを繋げること

が必要なのではないか?と感じます。

 

(3)編むことが大事

タイトルに「編む」と書きましたが、

まさにこれまで行ってきたコンテンツ同士をつなげたり、

ほつれた箇所を繕ったり、

成果を見せるために、見せやすくしたり、

という編む(編集する)作業が必要なのではないかと

思うのです。

 

ここ最近、フリースクールや子ども食堂、

コミュニティスクールの取り組み、社会教育士という資格

など、本当に多くの福祉・教育の取り組みを学ぶ機会

に恵まれました。

それぞれの活動は素晴らしく、みなさん本当に一生懸命に

取り組まれている。仮に足りない何かがあるとするなら、

それを「つなぐ」ことなのかもしれないと感じました。

これが私が見つけた1つの「課題」です。

 

みなさんは、ご自身の課題があると思います。

私も園庭のことなどに関する課題意識もあります。

そして、人が頑張っていることをつなぐことも

私にとっての大切な課題意識の1つです。

どうやって行うと良いか?

動きながら、考えようと思います。

 

(4)蛇足ですが…

ちなみに、近しい人は僕がやっていること

(園庭研究、保育者研修、県の仕事)

が全く異なる領域のことだと感じて、

お前は何者だ?という質問をされる場合があります。

が、ある工夫をすると、それらは同じ射程内に収まるんです。

僕の中では、違和感なくやれていると思います。

なので、ご心配なく 笑

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

Mail: daihyo@studioflap.or.jp