見守る保育② 自主性と主体性

自分からやり始めた勉強だけど、それは自主性?主体性?
 
 
 
(1)前回の振り返り
前回は「考える力」ということを理解するために、
「考える」とはどういう行為なのか?という話をしました。
 
考えるとは、
「選択肢を持ち、根拠を持って選ぶことである」
と定義しました。
 
(2)今日のテーマ
今日は、もう1つ、「見守る保育」を考える際に、
現代社会でよく使われている言葉で、
理解されていない言葉の解説をしていこうと思います。
それは「主体性」と「自主性」の違いです。
 
(BGM Love and Honesty by Bryan Kessler @ゆるカフェ~アロハ・ハワイ)
 
(3)自律と自立
自立は言い換えるなら独立だし、対義語は依存です。
「誰かに頼ることなく、独り立ちしていること」
という意味合いです。
 
自律は
「自分自身の力で自分をコントロールすること」
ですね。
 
英語にするとAutonomyと表記しますが、
どちらかというとself-controlと表現した方が
適しているのではないでしょうか。
 
(4)自主的に動く子ども(人)の特徴
自主的な子って、
小学校の通知表で、
「よく気がついて自ら率先してクラスのことをしてくれます」
って書かれるような、
いわゆる「良い子」タイプです。
 
ですけど、
これまでもこのHPで解説してきましたが、
これからはいろいろなことが曖昧な世の中になっていきます。
仕事をしていても、上司の指示が本当に正しいのかわからない。
「自主的な人」は
決めれた枠組みや方向性の中で率先して行動をする人のことです。
これからの時代、
もしかしたら間違ったことを推進してしまう危険性も孕んでいるわけです。
 
(5)これからの日本社会は「主体性」が求められる
これからの時代は主体性も持った人が求められる。
とよく言われる所以はここにあるのです。
主体性とは「目的や目標、思考の枠組み自体を自分で考えることができる能力」
のことを指します。
 
つまり、前回も話をした「考える力」を持った人間
であることが求められるということになりますね。
 
VUCAな時代にはこういう人がいることで、
しっかりと考えながら進むことができる。
新しいアイデアにも出会えるかもしれないということです。
 
その基盤づくりは幼児教育から作られていくのです。
先生方の役割は,子どもたちの人生にとって
非常に重要な役割を果たしているのです。
このことも理解した上で,
是非とも「見守る保育」を実践していただけたら
と願っています。
 
良かったらお寄せください。
 
 
 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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