外遊びと知性〜遊びが大切な理由の1つ

 

 

こんにちは。

忙しくしていたら、前回の投稿からあっという間に10日も経っていました。

大変失礼しました。

そして、水曜日…。が過ぎてしまいました。

私が自らに課している子育ちコラムの配信日でした。

 

ということで、仕事の合間を縫って

このコラムを書いたり、録音しようと思いましたが叶わず(笑)

 

木曜日になってしまいました。

 

 

0. はじめに

 

なんで遊びが大切なのかがやっぱりわからない人は少なくない。

保育者のことを「子どもと遊んでるだけなんて楽でいいよね」なんていう人がいたりする。

乳幼児と日々暮らしているお母さんに向かって、周りの人が

「こっちは毎日仕事で大変な思いしてんだ。子どもと遊んでいるだけの人間と一緒にするな」

なんてことを言ったりする人もいる。

 

もうそんな奴にはアンパンチです👊

今日はそんなことを言われた時に繰り出すアンパンチ👊を皆さんにお渡しします。

 

1. 遊びと言っても色々ありますよね?

 

遊びと言っても、ゲームをするのも遊びですし、室内でも遊びます。

どれが良くてどれが悪いということを言うつもりはとりあえずないです。

私の遊び研究は身体を使うことの大切さという点が1つのポイントですので、

そこにフォーカスして話を進めたいと思います。

 

2. 身体を動かすことと知性〜佐々木正人東大教授の空書研究

 

東京大学におられた佐々木正人先生のご研究に空書研究というのがあります。

私たち、日常生活で文字が思い出せない時に、手を動かして文字を空中に書きながら

思い出したりすることってありますよね。

その動きを対象にするという面白い研究なのですが、この動きを制御された人よりも

動きながら思い出そうとした人の方が圧倒的に想起率が高かったという研究です。

 

文字を思い出すという知的な活動であったとしても、身体を動かすことで記憶が呼び覚まされる。

つまり、記憶の想起という知的な活動が実は身体的な営みでもあることが明らかになったんですね。

 

3. 具体の知能〜野中哲士神戸大教授の石器成形の研究

 

まわりとの接触を私たちはどのように操作しているのかという問いを追いかけた。

この研究は旧石器時代のように道具を使って石器を成形する仕事をしている人を対象にした研究で、

就学前教育とは直接は関係しない研究です。

研究の詳細はここでは省きますが、職人のレベルによって大きく違いがあることがわかりました。

その違いとは、レベルの高い職人ほど、動きが定まらないということなんです。

要するにステレオタイプ的な動きになっているのではなく、試行ごとに動きが全く違うということです。

 

職人は道具に触れ、素材に触れ、その特徴を身体で理解しながら、言語化などとてもできないような

特徴を把握して、動きを調整していたようです。

 

空書研究と同様、これも身体が石器づくりを理解しているとしか言いようがないような

研究結果と言えるのではないでしょうか?

 

4. 知性はどこにあるか?〜身体を動かして遊ぶことの意義

 

ここでは2つの研究を紹介しましたが、

こうして見てくると、現代人が知的作業は脳の専売特許だと思っている節がありますが、

果たして本当にそうなのだろうかという迷いが生じてしまいます。

 

脳では明確に意識化されておらず、身体だけが理解していることということが

たくさんあるのではないだろうかということです。

 

知性はどこにあるか?

という根源的な問いをこのセクションのタイトルにしましたが、

身体が担っている知性を蔑ろにしている感じがあります。

 

私たちは環境の中に生まれ落ちるということを忘れてしまいがちです。

でも、私たちの生命が先にあるのではなく、

環境の中に生まれ落ちる存在なんです。

常に環境との関係づくり(調整)を強いられるのが我々動物の宿命なんですよね。

 

5. おわりに

 

身体を使った遊びを通してスポーツや何かの技能が上手になることが大切だと

言いたいわけではありません。

 

身体で感じるということ

身体を使うということ

 

これが大切だということです。

 

今回は知的な話を中心に書きましたが、身体を使った遊びの多少は社会性にも大きな影響を及ぼします。

そう考えると、外遊びは身体能力だけでなく、知性(記憶や創造性を含む)や社会性といった

人間の発達の全般に関わっているということになります。

 

このような点からも外遊びの価値をもう一度見直し、

どんどんと積極的に外遊びの時間を確保するように努めたいものです。

日曜日に意図的に外遊びの時間を作ってでも、外で遊ぶべきだと私は考えます。

 

じゃ、どんな遊びがいいの?ということになりますが、

それはまたどこかの機会で…👋

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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