良くないと分かっていても〜アカデミー賞での出来事から

 

昨日のアカデミー賞でのウィル・スミスさんの平手打ちが話題になりました。

もしご覧になられていない方がおられたら👇

今朝の情報番組を見ていたらこのニュースが流れ、

司会の方が「(コメディアンが(本人が苦にしている)

身体的な問題をネタにしたこと自体に非がある事を認めた上で)

他に対応方法はなかったのか?」というコメントをしていました。

 

他の方法って何があるんだろうか?

その場をやり過ごして、後からコメントを発表する?

言葉で言い返す?

でも、それでは解決されないくらいの怒りを誘発した発言だったとしたら?

暴力は悪いということをウィル・スミスが知らないとでも?

 

岡田斗司夫さんはいまの社会を「ホワイト社会」と呼んでいます。

とにかくネガティブな行動をした方が負けだと。

確かにそうなんですが、

奥さんの苦悩を知っていたウィル・スミスが

後先考えずにしばきに行くしかなかった

という心もちをまずは理解したい気がするんです。私としては。

実際、もし自分の妻にあんなことを言われたらと想像するだけで、

ムカっ腹立ちますよ。

 

だからと言って、暴力を肯定したいわけじゃないんです。

やはり別の方法はなかったのだろうか?ということを考えることも必要だと思います。

いや、そもそも人間を身体的な特徴で笑おうとするなんていう愚劣な行為をした

コメディアンに問題があるのだから、

ウィル・スミスの問題だけが取り上げられるのはフェアじゃない気がします。

(コメディアンよりもウィル・スミスの方が日本では有名だからそうなるんでしょうけどね)

 

翻って、園児にも類似の状況はよくあります。

誰かを叩いた

おもちゃを投げた

遊具の上で誰かを押した

という場面は園では日常茶飯事ですよね。

 

その場面で、叩いた人を注意する先生が多いかなと思います。

だって、人を叩くことはどんな事情であれ悪いことだから。

 

でも、もしかしたら、そんなことは分かっているけど、

どうしてもそうしなくちゃ収まらないことだったのかもしれない。

叩かれた方の子どもの振る舞いが

そういう行為を引き出してしまっていたのかもしれない。

だとしたら、叩いた子を先に怒っちゃいけないんじゃないかな?

って思うんです。

 

評価をする前に、まず状況を把握をし、分析をし、

最後に評価をする(誰を怒るか?最も大きな問題は誰にあるか?)

ということが大事ではないだろうか?

 

 

 

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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