遊びを育てられる保育者

今週は2年間園庭改造プロジェクトを行ってきた園を訪問して、

報告会の準備をしてきた。

園庭改造というと、何か完成形があり、それを目指して大幅に修正したという

イメージを持たれると思うが、そんなことは簡単にはできない。

まして、公立園では不可能に近い。

私が訪問するのは多くが公立園だから、お金をかけずにという前提がある。

これはこれで問題があるが…

 

さて

その中である園庭には大きな木がある。

これは簡単には育たない。

 

それと同じで遊びも簡単にできるようにはならない。

遊びを育てるという感覚が大事である。

遊べる力を育てると言った方がイメージは湧きやすいかもしれないが。

 

その1つとして、2〜3歳の頃に何を経験しているか?

ということが大きい。

何か特定の経験をさせる必要があるということではなく、

園児自身がいろんなことに興味を持ち、

五感でいろんな体験を繰り返すことが大切である。

 

三谷(2013)がこんなことを書いている。

(佐伯胖ら 『子どもを「人間としてみる」ということ』

第2章子どもとともにあるおとなのあり方)

 

いろんな体験を繰り返すというと、どうしてもたくさんのことをさせようとする

保育者が多くなる。だけど、そうじゃないんじゃないか?と三谷は記す。

多くの場合、子どもたちは保育者の意図を汲んで、保育者の意に沿った子どもの

姿を見せているだけなんじゃないだろうか。

「物事にじっくり向き合うことで得られる「経験」に必要な時間を奪っていることに

なっている」のではないだろうかと警鐘を鳴らしている。

 

私もこの三谷(2013)の意見に同意する。

懸命であるが故に、私たちは時にいろんなことをさせ過ぎているのかもしれない。

大人には同じことの繰り返しに見えていても、子どもにとっては昨日とは違うことを

しているのかもしれない。

 

いつも同じことをしているように見える中で、

スキルが生まれたり、育ったりすることもある。

スポーツなどはまさにそうだ。

 

時間をかけて

子どもが自分の力で遊べる環境を作っていくことが必要だ。

そのためには、何をしたら良いのだろうか?

 

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

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