運動衝動を発現させる

ある市教委との合同プロジェクトで,2歳児に運動プログラムをやることになったことがあります。2歳児に学校体育的な運動プログラムをやることに抵抗があり,園も私自身も戸惑いつつ,市側もパイロット的なものなので,色々なことを試してみてもらえないかという依頼でした。幼児体育を専門とする業者が運動プログラムを実施し,私はアドバイザーとして関わり,業者への指導とともに,この活動を保育に繋げ,そして最終的には市のオリジナルプログラムとしてまとめていくことが私に課せられたタスクでした。
 
 最初は正直「そんな無茶な」という気持ちがありました。実際,紆余曲折の末に始まったプロジェクトの初回で業者さんは4歳児や5歳児にやってもおかしくないようなプログラムをやるし,2歳児さんは泣き出すし,ピクリとも動かない子もいる。「こりゃえらいことや」と思った反面,2歳児でも興味は持っているし,次第にやろうとする子も出てくる感じがあり,手応えを感じないわけでもありませんでした。そこで私が業者さんにしたアドバイスは2つ。ルールで2歳児を動かすことはできないので,とにかく「常にモノと関わるプログラムにすること」と「子どもたちが動き始めたら,ペースを落として自由遊びに近い感じにすること」の2つでした。この反省を受けて実施した2回目で起こったのは驚くべき出来事でした。

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保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

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