因果は簡単には分からない〜映画『プラダを着た悪魔』の一考察

This is one of my favorites. 観たことありますか?

 

 

おはようございます🤗

 

ここであまり書いたことがないかもしれないのですが、

わたくし、映画が結構好きです。

しかも、同じ映画を何回も観て、

その中で監督が仕掛けていることを発見することが好きです。

好きな映画は100回でも観ます。

 

そんなマーシーセレクションの中で、

かなり上位に食い込む作品が

『プラダを着た悪魔』

です。

本当に100回以上観ていると思います。

 

この冒頭のシーンから目が離せないのですが、

私の中で気づきがありました。

 

それは「因果の逆転」ということです。

 

わたしたちは

勝手に因果関係を想定しちゃうことが多いんですけど、

本当にそうなのかはかなり怪しいです。

 

学生の卒業研究で

アルバイトはライフスキルを高めるのか?

というテーマでアルバイト経験の有無と

ライフスキルを調べた学生がいました。

 

最初からアルバイトをすることによって

ライフスキルが高まるという仮説を持っているようですが、

ライフスキルが高い人がアルバイトを長くする

という逆の因果は想定されていない。

 

でも、どっちの確率が高いか?

微妙なところです。

 

『プラダを着た悪魔』

でも同じことが考えられます。

この考察の一部は

以前紹介した岡田斗司夫さんの動画から

ヒントを得ている部分が大きいです。

👇以前の記事はこちらから

因果は簡単にはわからない

 

映画冒頭で主人公のアンドレアは

見るからに安いアパートに暮らしていて、

ファッションにも興味がなく、

リップを塗るのも

鏡を見ることもなく適当に塗っている

様子が描かれています。

道路で車を停めるのは乗るためではなく、

自分が道路を渡って

subwayに乗り込むため。

(アメリカではsubwayは庶民の乗り物です)

 

一方、おしゃれな女性たちは

ウォークインクローゼットがあるハイクラスアパートメントに住み

下着からアクセサリー、メイク、食事に至るまで

神経が行き届いていて、

タクシーで出勤しています。

 

この対比を見た時、

多くの人はお金がある奴は経済的な余裕があるから

ファッションのことまで考えられるとか、

ファッション業界で働いているから

ファッションに気を配るのは当たり前だと考える。

 

つまり、お金がある(原因)→ファッションに気を配る(結果)

という因果で考える。

 

だけど、その因果はもしかしたら逆かもしれない。

おしゃれや身だしなみに気を遣う人だから

ハイクラスアパートメントに住めるのかもしれない。

ファッションに気を配る(原因)→お金がある(結果)

 

そういう理路で考える人は

案外少ないだろうと思う。

でも、たぶんあり得ないこともない。

 

私はファッションって気配りだと思うんです。

他者に不快な思いをさせない

むしろ気分良くさせる。

男性でも女性でも

華美にならない程度に、

品の良いおしゃれをしている人がその場にいると

空間のクオリティが上がります。

それって人々を幸せにしますもんね。

 

 

因果って

本当に難しくて、

ほとんどわからないと言って良いんです。

研究でも本当に因果関係を明らかにしようと思ったら、

ものすごく手間がかかるんです(人文・社会系は特に)。

そんな簡単には分からない。

研究をしていると本当にそう思う。

 

まぁ、そんなことを考えずに、

映画は楽しく観ればいいんですけどね(笑)

 

ということで、金曜日です。

元気にいってらっしゃい👋

 

 

 

 

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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