園内研究会のあり方を考える

 

こんにちは。

5月末から園内研究会にお邪魔する時間が増えてきています。

私が携わる園は実はそれほど多くなくて今年は10園です。

ただ、頻度はまちまちですが、多くの園が年間を通じてご依頼いただいている

ので3〜4回/年程度お邪魔しています。そうするとだいたい年間40回の訪問。

こうして、現場の先生と一緒に学ばせていただく機会がたくさんあるのは、

私にとって本当にありがたいことです。

今日はそのことについて書かせてもらいます。

 

録音時間 23分27秒

(BGM Bryan Kessler ゆるカフェ〜アロハ・ハワイよりOverjoyed)

 

(1)研究スタイル

 

園内研究会のあり方は本当に各園でバラバラです。

それが素敵だなって思います。

パターン化するんじゃなくって、自分達で考えながら、

自分達のためにやっていて、その願いを私にぶつけてくれて、

一緒に考えながら作っている感じがとても心地よいと思っています。

 

どの園の研究会も好きですけど、

実際に保育に入らせてもらったり、一緒に遊ばせてもらったりするのが

特に楽しいかなって思っています。

 

(2)お互いにとっての難しさ

 

園での研究会にお邪魔すると、だいたい答えを教えてほしい的な

話になることが多いんです。

たぶん、私の話が抽象度の高い話にどうしてもなってしまうからだと思うんですよね。

そのご意見は本当にごもっともやなって思うんです。

だけど、私は毎日子どもたちと暮らしているわけじゃないんです。

そこが私の最大の弱点だと言っても良い。

研究のためにいろんな園に行くし、園庭で遊んでいる動画も吐くほど

観てきました。だけど、私の知っている子どもたちはAくんやBくんであって、

固有名詞のある子じゃないんですよね。

だから、どうしても抽象度が高くならざるを得ない。

そうした時に、先生たちは具体度がものすごく高い、固有名詞の子どもたちを

1人ずつ観ているわけです。

 

(3)これからの園内研究会

 

最後、まとめをどうするか?が問われますよね。

最終的にまとめをされる園が多いんですけど、自分達の中に閉じちゃっていることが多いんですよね。

良くて市内の他の園との研究会で発表する感じです。

だけど、私としては現場の人も参加している学会とか、そういうところに行って

議論を広げることをやってもいいんじゃないかなって思っています。

 

保育に携わっている先生方の1つの課題として「狭い」ことがあるかなって思うんです。

それは人としてという意味ではなく、活動範囲がどうしても狭くなってしまうってことです。

それは普段は良いんですけど、ずっと手が届く範囲だけの活動をしていると

「これでいいの?」ってマインドになっちゃいがちなんですよね。

 

自分達がしている議論が、違う土地で保育をしている人たちと話した時に

話が通じるのか?もしくは他の土地の人はもっとレベルの高いことをしているのか?

みたいなことを感じるだけでも、すごく大きな刺激になると思うんですよね。

 

今後、是非ともそういうことをしてみたいなと思います。

アカデミックな人しかいない学会も多いですが、現場の先生がおられる学会もありますので、

ぜひそういうところでワイワイやりたいですね。

ちなみに、国際学会もあります。興味のある方は一緒に発表しましょう。

 

(4)終わりに

 

私の毎日は研究論文や学術書を読む時間があります。

現場の先生にとって保育は「する」ものですが、

私にとっては「読む」「考える」「書く」ものになっている面がある。

これは本当に気をつけないといけません。

 

研究会に寄せてもらった際には

なるべく園児のみんなと接し、そのつぶやきを拾い、共に行為を共有する

時間を持とうとはしています。それが本来的な保育実践だとは思いませんけど、

やらないよりは何かをやろうと思っています。

 

保育を違う角度から考えている現場の先生と私だからこそ

生み出せるものがあるだろうと信じて、先生たちと一緒に研究を進めて行きたいと

考えています。

 

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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