子育ての不安とその対策

 

こんにちは.

 

 

<ある出会い>

 

先日,あるお父さんとお話をする機会があった.

曰く,8ヶ月の子がいるが,

離乳食を食べない

歯の生え方が他のお子さんと比べて遅い

夜泣きがひどくて,夜なかなか寝ない

 

など,不安材料が多いという話をしてくれた.

 

いくつかアドバイスをして,お父さん自身もちょっとずつ安心感が生まれたのか,

ちょっと涙目になっていた.

それだけご夫婦で心配しながら子育てをしていたんだろうなって思う.

 

<ネットがあることで生まれる難しさ>

 

私自身が親として第一子を子育てをしていたのは18年前.

まだネット環境が今ほどではなく,世間にもまだスマホはなかった.

その後,次第に発達環境・幼児教育の研究をするようになり,

ネット情報の頼りなさやどうでも良い情報が数多いと感じている.

でも,お父さん,お母さんはそんなことわからないから,

1つ1つに反応してしまうのは無理ないこと.

 

同様に,50年くらい前は同居している祖父母がいて,

 

気にせんでええよ

あんたが小さい頃は〜やったで

 

みたいな話をしてくれた.

核家族になって,鬱陶しさがなくなった反面,

経験に裏打ちされた知恵が得られなくなり,繋がらなくなった.

 

<子どもを見てもらおう>

 

現代人はネットを便利なツールだと考えているが,

その副作用を全く考えていない.

ネットの情報は広く一般的に通用するものであって,

いま目の前にいる「この子」のことではない.

考えるべきなのは,

どれだけの目で子どもを見ているか

ということだと私は考える.

 

ネット情報は「この子」を見ていない.

単に「離乳食を食べない」「夜寝ない」と言っても,

それは一人の親が感じていることであり,

見ようによっては「そんなこと普通やで」ということは十分にありうる.

 

言い方は悪いが,

ネット情報を鵜呑みにするということは,

実は自分の目だけ,自分の頭だけで判断していることとほぼ同義である.

 

大切なのは,いろんな人に自分の子を見てもらい,

子どもと接してもらうことだ.

それも,できれば子育てや保育などの経験がある人が良い.

だから,子育て支援をしてくれるセンターや施設に積極的に行くことを

おススメする.

 

子どもは一人(夫婦のみ)で育てるものではないということを

改めて確認して欲しい.

ちなみに,我が子が小さかった頃,近所のお宅に行かせてもらったり,

もちろん祖父母のところに連れて行ったり,

子育て支援センターにもしょっちゅう遊びに行っていた.

その前は本で子育てを考えていたところが少しだけあったが,

実際に子どもを見てかけてもらった言葉,教えてもらったアドバイスの方が

100倍ありがたかった.

 

多様性とか,価値観の多様化などど耳障りの良い言葉を使って

逆に分断している現代社会.

子育てもまた各家庭に分断されてしまっていると感じる.

自分だけで子どもを育てようとするなんて無理芸だ.

どんどん頼ればいい.というか,頼りなさい.

特に初めてのお子さんの時は,ガンガン頼ることをお勧めする.

 

そうしていれば,次第に子どものことが見えるようになってくるから.

 

保育者支援ネットワーク「保育のみかた」運営責任者

博士(教育学)

保育コンサルタント

園庭づくりコーディネーター

[著書]

『ワクワクドキドキ園庭づくり』(ぎょうせい)

『遊びの復権』(共著)(おうみ学術出版会)

保育者の「相互支援」と「学び合い」の場

〒524-0102 滋賀県 守山市 水保町1461-34 

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